夏が来た!!~2003年のこどもの館劇団
田邊篤史(こどもの館劇団員、教員)
2003年8月11日
元来、人見知りをする僕にとって、毎年こどもの館劇団の始まりはなかなか奇妙な心境です。 もともとこっちから話しかけたりするのって、苦手なんですよね。 でもね、去年の夏以来久しぶりに顔を合わせる仲間達のことを考えると、一瞬でも早く会いたい気持ちでいっぱいだし、初めて参加する人とも、どんな14日間を過ごせるのか考えただけでわくわくします。
まあ最近は人見知りをしている場合ではないので、がんばってこっちから声をかけるようにしているんですよ。 いや、本当。 めっちゃがんばっているのです、いつも。 なかよくなってくれてありがとうね、みんな。
館での第1クール3日間はあっという間に過ぎてしまいましたが、毎日がぎゅっと凝縮された時間だったと思いますね。 午前中は「鬼ごっこ」をしたり「だるまさんが転んだ」をしたり踊ったりして遊び、昼休みはご飯を食べたらこども達と一緒に遊び、午後は頭をつきあわせて悩み、作り、また悩み、作り…。 飽きることなく頭と体を働かせる6時間あまり。
そんな中、初めのうちはおとなしく周りの出方を伺っているような子も思ったことを少しずつ出し始める。 「おもしろいやん、それ。」「…なるほど。」僕はどの意見もその子の中から出てきた宝石のような言葉だと思うんですよね。
悩みながらおそるおそるだったり、「ひらめいた!」みたいな得意そうな顔だったり、しゃべっている時の顔はいろいろだけど、そうやって出てきた意見の山の中から、みんなで選んで作り上げていく。 まだまだもっと出てくるようになると思ってるんだけど、その悩んでうねくってる過程が楽しい。 ほんっとに大変は大変なんだけど。
第1クールで一番きつかったのは、3日目にみんなでこれから作っていく「三文オペラ」の設定を考えた時ですね。 やりたいことがまだはっきりとは見えてこない中で考えを出していくのはなかなかに難しかったのですが、いくつかの時代と場所の案が出てきました。 中国、エジプト、ヨーロッパ、日本、月、ネバーランド、アラビア。 古代、中世、江戸末期~明治初期、明治末期~大正、現在、未来。
「うわあ、ようけでたなあ。これをどないしてまとめていくんやろう」正直なところ困っていたんですけど、ここから先意見が出ずさらに大変でした。 個人的に何がやりたいのか、どんな格好をしたいのかについては言える子がいたものの、「どの場所で、どの時代でやりたいか」という話になると、場がしーんと静まってしまいました。 まあ、待っているのも別にいいんですけどね、結構好きですから。 でも私達には時間が限られている。
結局「明治末期~大正の姫路」ということになりましたが、「もっと考えを出し合えたらいいのになあ。どないしたらええんやろう。そもそも、どないかできるもんなんやろか」と難しさを感じましたわ。 まあ「第1クールだからだよねえ。第2クールからは大丈夫」と自分に言い聞かせてますけど。
そんなこんなの第1クールでしたが、後やっぱり大事なのは健康管理ですね。 演劇指導者の大人としては、こども達も含めて全員元気に最終日を迎えさせたいなと思っています。 それはおまえもやろって感じですが・・・。 8月1日からの第2クールでは、こども達の中に入って、またどんどんうねくろうと楽しみにしています。